2006.12.14

怪しげな投資手法

 投資のやり方は人それぞれ。誰がどのような投資哲学を有していようが、それは私の関知することではありません。
 しかし、投資哲学とまでは申し上げないまでも、怪しげな投資手法が広く認知されています。普通に考えればオカルトなトンデモ理論がまかり通っているのが現実です。

 そんな現状について、先日紹介した、藤沢数希氏(ブログ「金融日記」で有名)の著書、なぜ投資のプロはサルに負けるのか?― あるいは、お金持ちになれるたったひとつのクールなやり方の一節を紹介します。

 本屋さんに行っても、旅行コーナーで『ハワイの歩き方』のとなりに『ムー大陸の秘密』という本がいっしょに売られていることはまずありません。『ムー大陸の秘密』は旅行コーナーではなく、超能力とかUFOとかのコーナーに置かなければいけないことは、誰の目にも明らかだからです。
 ところが、本屋さんの投資コーナーに行くと、この手のオカルト投資指南本と、大学教授が書いた硬い経済学の教科書がいっしょに売られていたりするのです。
 これがマネーの世界の摩訶不思議なところです。
(004ページより引用)

 言い得て妙だと思います。
 実のところ、理論的に正しいとされる、DCF等に基づく企業価値評価を実施をしたとしても、それが投資家のリターン向上に寄与するとは限りません

 とはいえ、怪しげな投資手法が投資家の便益に資するとも思いません。
 例えば、チャート分析を判断材料にするような投資手法はアテになりませんし、無駄な売買を誘発し、大抵の場合、さほどの利益につながらないのではないかと推測しています。少なくとも、手数料等のコストの分だけ、収益は損なわれているはずです。(それを裏付けるようなデータもあります)

 少なくとも私は、テクニカル分析チャート分析の解説に説得力を感じたことは一度もありません。
 将来の株価チャートを正確に描ける人など存在しません。過去の株価の推移に如何ほどの価値があるでしょうか?

 オカルトはオカルトで楽しめばいいとは思います。
 同時に、テクニカル分析やチャート分析に限らず、オカルトをオカルトと認識できずに信じているのであれば、それは正されるべきだとも思います。

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2006.12.11

最強の無配企業

 NIKKEI NETの記事、バフェット氏、「バークシャーの06年純資産増加幅は過去最大に」から引用です。

 米投資会社バークシャー・ハザウェイ(NYSE:BRK.A)の会長兼最高経営責任者(CEO)である著名投資家ウォーレン・バフェット氏は8日、バークシャーの今年の純資産の増加幅が過去最高の140億ドルになるとの見通しを明らかにした。

<中略>

 バフェット氏はさらに、バークシャーが、エクソンモービル(NYSE:XOM)などのような多額の現金を生み出している企業とは異なり、配当を支払っていないことを純資産の大幅増の一因として挙げた。配当よりも、バフェット氏は長期の安定成長が見込める企業の買収により多くの資金を充てることを目指している。

 純資産増加も素晴らしいことですが、それよりも着目すべきことがあります。
 それは、ウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハザウェイ社が今なお、配当よりも有利な投資先を開拓し、資金を有効に活用し続けている、驚嘆べき事実。

 少なからずの投資家が、配当を歓迎します。しかし、配当は株主還元の最善策ではありません。配当よりも有利な投資先があるならば、資金をそちらに投入すべき。実際、配当が株主にとって有利とは限らないのです。

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2006.12.08

株主優待を歓迎しない理由

 書店のマネー・投資関連のコーナーでは、株主優待を特集した雑誌や書籍が平積みになっています。
 根強い人気があり、株主にとって嬉しい制度ですが、株式投資をする場合、株主優待に目を奪われすぎるのはあまり賢明ではないと考えています。

 そもそも、株主は出資の対価として、企業価値の上昇に伴う株価の上昇や配当などで利益を実現すべきものです。株主優待で利益配分を求める必要はないはずです。(私は株主優待と同様、配当が優れた株主還元策だとは思っていませんが・・・)

 株主優待は、株主に阿る経営者からサービスや製品などの無償提供を受ける行為。株主優待の実施にはコストが発生しますので、その分だけ投資先企業の収益は圧迫されます。
 これらのことを勘案すれば、投資先企業の製品やサービスを、オーナーである株主自らが収奪する行為だとすら思います。極論すれば、株主が自分で自分の首を絞めているようなものです。

 投資家にとって有効に活用できる株主優待ならば活用するのも一考だとは思いますが、だからと言って、理論的にも現実的にも「得をしているわけではない」という事実は念頭においておくべきだと思います。

 株式の投資先選定(銘柄選定)で、株主優待実施企業を徹底的に排除するのは現実的ではありません。
 ただ、あえて申し上げるならば、株主優待を導入していない企業の方が望ましいように思いますし、「株主優待を充実させよ!」と声高に主張する株主が跳梁跋扈しているような企業には、あまり投資したくありません。

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2006.12.07

投資してはいけない会社

 NIKKEI NETには、経済羅針盤というコーナーがあります。
 そこでは、識者の方々か経済に関するコラムを執筆されています。執筆者の一人に、JPモルガン・アセット・マネジメント マネジングディレクター シニア・ポートフォリオ・マネジャー の太田忠氏が優れたコメントを寄稿していました。こういう会社に投資してはいけないというタイトル。

 詳細は例によって例のごとく(?)、上記リンク先をお読みいただきたいと思いますのですが、太田忠氏が挙げられている、「こういう会社に投資してはいけない」の8要素を紹介します。

(1)ビジネスモデルそのものが崩壊
(2)甘い見通し、甘い予想
(3)事業の間違った多角化
(4)社名変更
(5)株主との利益相反を平気でおこなう企業
(6)瞬間的好環境に現れる雨後の竹の子企業
(7)IPOをゴールとする経営者
(8)地方取引所上場企業
 どれも、概ね納得できるものです。

 私は投資の三原則(って、そんな大層なものではありません)として、
   ・ウマイ話は疑ってかかる
   ・投資先(商品内容)の理解できないものは避ける
   ・業者(担当者)の信頼性を確信できないものも避ける
 を提唱(?)しているのですが、株式投資をする場合は、太田忠氏の指摘する8要素も考慮するべきだと思います。

 ジェレミー・シーゲル 氏の著作、株式投資の未来~永続する会社が本当の利益をもたらすで記されている通り、株式投資の未来は明るいと確信しています。

 しかしながら、その手法や投資先を大きく誤っては元も子もない。
 ウォーレン・バフェット氏のレベルに到達するのは望まないまでも、明らかにおかしな企業に投資するような愚は避けたいものです。

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2006.12.01

単元株変更による、株式流動性の低下

 サンライズ・テクノロジーという会社があります。大証ヘラクレス上場企業です。
 実のところ、あまり良く知らない会社です。自転車好きの私はたまたま、我が家でも使用している子ども乗せ用自転車、ふらっか~ずシリーズを扱っている、丸石サイクルの親会社として認知していた程度。

 この会社の業績などについてもほとんど知らないのですが、株価を見る限り、あまり芳しくない模様
 そんな同社、単元株式数の変更に関するお知らせというリリースを発表しています。(株主総会での承認が前提です)
 概要は、

1.単元株式数変更の理由
 当社の発行済株式数は、本日現在120,654,716株、単元株式数は10株となっており、当社の株式売買件数増加による証券代行手数料は、非常に高額になっております。当社といたしましては、このまま証券代行手数料として費用計上を行うより単元株式数を引き上げ、経費を削減し、利益向上させることが、株主様の利益につながると判断したことによります。
2.単元株式数変更の内容
 当社の単元株式数を10株から1,000株に変更いたします。
 とのこと。

 単元株数を変更する場合には、株主数の増大や流動性向上を目的する場合が多いように思います。結果、単元株数は引き下げられる傾向にあります。このことは必ずしも悪いことではありませんが、株主数の増大が費用の増加要因になることも必然です。また、過剰な流動性は投機の対象となり、その結果、企業価値を毀損してしまうことが少なくありません。株価の乱高下は企業にとって避けるべき事態なのです。

 自社株式の流動性を低下させる今回の決断、やむにやまれずということなのでしょうが、妥当であるような印象を受けます。直接的なコストを低減できますし、招かれざる株主が存在するならば、それを排除することにもつながるのでしょうから。

 ところで、ビル・ゲイツ氏に次ぐ、世界第二位の資産家として有名な、ウォーレン・バフェット氏は、自身が経営するバークシャー・ハザウェイ社の株式について、以下のように述べています。

 私たちが最も望んでいることは、株価が常にその内在価値に沿った形で推移することです。もしそうであれば、株主が保有期間中に得る利益は、同期間のバークシャーの事業実績とほぼ同じになるからです。
 このような結果は自動的に起こるものではありません。多くの株が過小評価され、または過大評価されすぎて、激しい値動きをみせます。このような状況では、株主たちは実際の業績とかけ離れたところで損したり得したりするのです。そんな気まぐれな状況は避けなければなりません。私たちが目標とするのは、一部の株主のバカげた振る舞いによってではなく、企業業績によってパートナーである株主が利益を得ることなのです。
 適正な株価は、現在も未来も理性ある株主によって作られます。だから私たちは、市場原理だけで動く株の短期保有者を排除して、企業に投資する考えで株を長期保有する人たちに株主になってもらうためのやり方、広報を行っています。
バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル(217ページ)より引用)


 市場とどのように付き合うか、どんな企業に投資するか、それは個人の自由です。
 ただ、株式の流動性は高ければ高いほどいいとは限りません、株価が乱高下する株式には妙味があるかも知れませんが、投資先としては不適格である可能性もあります。

 それぞれの企業の市場との付き合い方には今後も注目です。


PS.サンライズ・テクノロジーについて、いかなる投資判断もしていませんこと、念のため書き添えておきます。

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2006.10.19

株式評論家の各種銘柄(企業)への投資判断について思うこと

 雑誌、マネージャパン2006年12月号を読みました。
 マネー雑誌らしく、派手な内容が多いのですが、毎号楽しく読んでいます。

 ところで、マネー雑誌では数多くの銘柄診断がなされています。率直に申し上げて、これらの銘柄診断や推奨銘柄はアテになりません。
 マネー雑誌における個別銘柄についての記述について、突っ込んでも仕方がないのですが、本日はあえてツッコミ。

 事例として、恐縮ながら、木村佳子さんの見解を取りあげます。
 彼女は「銘柄相談室」(72ページ)で、読者からのHOYA(7741)の見通しついての質問に対する回答で、

 同社は時価総額が2兆円近くあり、買収されるリスクは小さいと思います。

<中略>

せっかくの優良株ですから、長期で5000円突破を待ってみるのもひとつの手です。

 と述べています。どうやら、買収リスクが小さいことが保有継続推奨(?)の根拠のひとつになっているようです。

 翻って、「プロが厳選!今月の注目株」(77ページ)では、TDK(6762)について、

 2007年からの商法改正に伴う三角合併解禁で、米国企業が日本企業の買収や統合を株式交換で行うことができるようになる。自分を外国人と置き換えると、なんとしても欲しい日本企業はどこだろう?

<中略>

 株価9000円台ですでに時価総額1.26兆円に迫るが、今の価格帯ではM&A(企業の合併・買収)に狙われるリスクがある。増配や個人向けIR(企業の広報活動)の強化などでさらなる上値を期待したい。

 と述べています。こちらでは、買収リスクがあることが推奨の根拠となっているようです。
 買収リスクは、高い方が望ましいの?低い方が望ましいの?買い要因?売り要因?

 株式投資をするにあたって、企業のどこに着目すべきなのか、事情は個別の企業によって異なります。経営者や事業内容などを判断して、同じ買収リスクが、ある企業にはプラスに作用し、別の企業にはマイナスに作用することもありえます。

 木村佳子さんはさまざまな事情を勘案した上で、投資判断を下しているのでしょうが、恐縮ながら、私にはその判断の根拠が明確には見えてきません。
(増配や個人向けIRが株価上昇(上値)につながるとの見解にも、若干の疑問があります)

 雑誌などで語られる推奨銘柄、参考にするのは結構なのですが、鵜呑みにするのは避けた方がよさそうです。買収リスク一つとっても、個別銘柄によって、投資判断が分かれます。
 話半分に聞いておいて、自分で判断することが不可欠なように思えてなりません。

PS. 木村佳子さんを批判する意図はありませんので念のため。また、買収リスクについては、余程の時価総額を有する一部企業は例外として、暴論ながら「リスクに晒されているくらいが丁度いい」ような気もします。個人的な好き嫌いで申し上げれば、おかしな買収防衛策を講じるような企業は好きではありません。

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2006.10.15

上期の新規株式公開銘柄――9割初値下回る

 少々古い(2006/10/12)のですが、日経金融新聞の「上期の新規株式公開銘柄――9割初値下回る、ヘラクレス、マザーズ、5割の下げ」という記事を紹介です。

 日本経済新聞社が今年四―九月の新規株式公開(IPO)銘柄について、初値から十一日終値への騰落率を集計したところ、全体の約九割に当たる七十四銘柄の同日終値が初値を下回っていることがわかった。市場別や主幹事証券会社別に集計した騰落率の平均値も軒並みマイナスで、特に大証ヘラクレスと東証マザーズは、ほぼ五〇%安と値下がりの大きさが際だっている。
 調査対象は、国内の全株式市場に新規上場した八十三社で、不動産投資信託(REIT)は除いた。IPO人気で九割以上の七十五社は初値が公開価格を上回ったが、その後の株価急落で、全銘柄の初値からの下落率は平均四一%に達した。七割の五十七銘柄は公開価格をも割り込む水準に低迷している。
 私はマザーズやヘラクレスなどの市場が存在し、上場への門戸が広げられてることを肯定的に捕らえています。
 反面、マネー雑誌や一部の書籍などで「IPO銘柄で大儲け!」というような扱われ方をみるにつけ、違和感を感じているのも事実です。

 IPO銘柄の多くで、公開直後の急騰期待があるのは事実。現実に「大儲け」している人が存在するもの事実。反面、損失を発生させている人が存在するのも事実。

 儲かることに対する期待が大きすぎるがために「企業の実態と比較して、高すぎる株価」を許容してしまう市場参加者に問題があると考えています。
 市場はそれなりに効率的だと思いますし、効率的であるならば、IPO銘柄も「それなりの水準」の株価形成がなされるかと思うのですが、どうもそのようになっているとは思えません。
 現状のIPOの実態はかなり歪んでいると判断しています。これは経済全体にとってあまり好ましいことではありません。

 例えば、投資銀行―日本に大変化が起こるにおいて、岩崎日出俊氏は、

 資本主義、市場主義がきちんと機能することによりヒト・モノ・カネが市場を通じて効率的に配分されるようになり社会全体がよりいっそう豊かになる
と述べています。個々の投資家が投資先企業の存在意義や将来性について考察することが、自分自身と社会全体の利益に繋がるのです。

 IPO銘柄にも価格の下落リスクがあるのは、日経金融新聞の記事を引き合いに出すまでもなく、当然のことですし、実際に価格が下落していく銘柄が少なくありません。
 投資家の考え方はひとそれぞれですが、期待や値動きに踊らされている(その大半は個人でしょう)とするならば、投資家自身にとっても好ましいことではないと考えます。


 最後に、ベンジャミン・グレアム氏の言葉を紹介したいと思います。

 新規公開株の大半は「良好な市場環境」の下で売り出される。つまり、売り手にとって良好なのであって、買い手にとっては、さほど良好ではない。
 名著、賢明なる投資家の一節です。

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2006.10.06

株価の上昇は喜ばしいことだけれども

 昨日(2006年10月5日)時点で、株価が久々の高値をつけました。
 高値といえども、4カ月半振りの水準ですので、受け止め方はひとそれぞれでしょうが。

 ところで、私は今回の事象を「あぁ、そうか」程度にしか考えていません。後付解釈で、理由を考えることはしていますが・・・、こんなことで「よーし、株式市場は強気転換だ!」などとも思いません。。
 「市場が軟調だから、投資行動はこうあるべき。市場が堅調だから、投資行動はこうあるべき」などという評論家の見解とも一定の距離をおきます。
 アセットアロケーションを考えながら、のんびり投資するというのが基本姿勢。今のところ、それなりにうまくいっています。
 一言で乱暴にまとめますと「リスク許容度とコストに配慮した長期分散投資」です。

 例外もあるでしょうが、「値動きを注視しながら頻繁に売買を行う投資家の利回りは低迷しがちである」という一般論は成り立つとも思います。

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2006.09.14

アノマリー?

 ウォーレン・バフェット氏が経営するバークシャー・ハザウェイ社の株価が最高値付近で推移しているそうです。

 BRKAの株価を参照してみると、このエントリを書いている時点で96,000ドル程度。円換算のレートを少なめに見積もって、日本円で約110,000,000円。売買単位は10株なので、A株購入に必要な資金は10億円超。(B株にはおよそ30分の1の資金で投資できます)
 流動性が低くとも投資家に受け入れられる、稀有な存在。裏返すとウォーレン・バフェット氏が「流動性の低さを許容できる投資家を望んでいる」ということでもあります。

 また、極端な表現をするならば「株式市場最大のアノマリーは、ほぼ一貫して勝ち続けるウォーレン・バフェット氏」とすら思っています。(言葉が過ぎるかもしれません)

 このような報道でもうかがい知れるように、売買の一挙手一投足が注目されているという観点から考えても稀有な存在です。
 「追っかけ投資」をするつもりはありませんが、後解釈の「追っかけ分析」をするのは面白そうです。

 もっとも、現時点で最良のバフェット本と目される、バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブルに込められているメッセージでさえ、何度か読み返していますが、深遠すぎていまだに理解が至らない部分が多数ありますので、道(?)はまだまだ遠そうです。

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2006.09.01

ミクシィのIPO

 SNSで有名なミクシィ(mixi)がIPOするそうです。
 あまりに話題騒然ですので、情報を眺めてみました。

 Tokyo IPO のサイトでミクシィの情報を見てみましたが、結構凄い。

仮条件のPER(前期ベース) 148.88~177.52
 です。
 PERが100倍を超えるような企業は特別な事情がない限り、投資対象から除外すべきだと思います。
 (フィスコによると、期末予想PERは約100倍だそうです)

 次に、簡便に時価総額でアタリをつけようと思いまして、時価総額を計算してみました。

 1.公開日現在の発行済み株数:70,500
 2.仮条件:1,300,000円~1,550,000円

 から算数すると、
 上場した瞬間の時価総額はざっくり1,000億円。
IT系企業だと、USEN、サイバー・コミュニケーションズ、イー・アクセス、ネットワンシステムズの時価総額が約1,000億円です(改めて、IT系企業は比較的成長期待が大きいという気がします)。
 有名どころでは、M&Aで注目を集めたAOKIホールディングスとほぼ同一規模ということになりそうです。時価総額1,000億円は過大という気がしなくはありません。

 ついでに、もう一つざっくりと計算をしてみます。
 PER20倍程度が適正な株価水準と仮定するならば、前期ベースのPER約150倍からこの水準に到達するのは、年率20%の利益成長を12~13年程度継続することが必要です。すなわち、仮条件はこれだけの成長期待を織り込んでいるのです。もちろん、株価は変動しますし、前提が適切かどうかも分かりませんので、乱暴な計算結果ではありますが、やっぱり値ごろ感はありません。
 そして、これだけの成長期待に応えることは並大抵ではありません。

 投資家の過剰な成長期待は経営者に無用なプレッシャーを与えかねません。結果として、無理なM&Aなどが実施される可能性すらあります。かつてのライブドアがそうであったと思いますし、楽天もそのように感じます。
 話題が少しズレますが、ミクシィが同様の罠にはまらないか心配です。
(無理なM&Aについては、山崎元氏がご自身のblogにおいて「王子製紙の敗因と、今後の敵対的TOB」として、明快な解説をなされています) 

 結論しては、ミクシィのIPO価格が割安には見えません。
(もちろん、磐石と思われた名だたるIT企業がGoogleを畏怖しているように、ミクシィがGoogleの如く成長する可能性を否定するものではありません。仮条件が割安だということもあり得ます。また、上場直後売り抜け戦略で短期的に儲けられる可能性が大だとは思いますし、初値メドが200万円~240万円とのフィスコのレポートがあったりしますが、あまり踊らされないほうがいいかも)

 ところで、新興企業が資金調達できるIPOの門戸は広くあるべきだと考えています。
 しかしながら「割高だなぁ」と思える場合が大半なのは残念なことです。IPO銘柄で確実に儲けられるとは限らないとも考えています。


PS IPO云々とは関係なく、SNSについてひとこと。「SNSは紹介がなければ参加できないから、安心。信頼できる」という妄信とは決別すべきだと思います。参加者の中には不逞の輩が確実に紛れています。


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