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2007.05.14

買収されるのも悪くない。

 買収されるのも悪くない。私はそのように考えています。もちろん、すべてを肯定するわけではありませんが。

 産経新聞社のWebサイトには、買収防衛、信託銀行の支援事業が急成長という記事が掲載されています。

 TBSと楽天の攻防など、M&A(企業の合併・買収)が頻発するなか、信託銀行が手掛ける「買収防衛策の導入支援事業」に企業の熱い視線が注がれている。

 みずほ信託銀行では、一昨年秋から専門チームを設け、支援事業を本格化。企業が敵対的買収にさらされるリスクを分析し、最適の防衛策を設計するとともに、買収を仕掛けられた際に取るべき対応策を提示している。6月の総会に向けて同行と支援契約を結んだのは昨年は15社だったが、今年は約30社と倍増。住友信託銀行も契約企業数が昨年の3倍の約50社に達した。

<中略>

 全上場企業のうち、買収防衛策を導入している企業はまだ6%程度。敵対的M&Aの増加は必至で、信託各行の支援事業も加速しそうだ。

 株式を上場している企業の経営者が、自社の買収を毛嫌いする感情は理解できるような気がします。買収防衛策が存在するのであれば、活用したくなる気持ちも非常によく分かります。それをビジネスに結びつける、信託銀行の目の付け所はいい。

 しかし、企業(経営者)が買収防衛に腐心することが、望ましいこととは思えません。マスコミの報じる買収防衛策は、既存の株主にとって有意義である場合が少ないように感じます。個人的には、表面上分かりづらい、株式持合なども含めて、買収防衛策導入論者の経営する企業は好きではありません。日本企業全体に与える影響を考えれば、記事にあるような、信託銀行のビジネスが加速しないのが望ましいようにも考えています。

 そもそも、経営者自身が現在の株主からの信頼を獲得していれば、コスト負担をしてまで、特別な買収防衛策など講じる必要などないはずです。エージェンシーコストを考えても、買収防衛策を積極検討する経営者には問題があるのかも知れません。

 敵対的買収に限らず、M&Aには光と影の部分があると思いますが、一昔前に盛んに喧伝されたような、「敵対的買収悪玉論」や「外資脅威論」などには惑わされないようにしたいものです。


 ところで、日本は今でも「経済大国」の一角をなしていると思いますが、その地位は低下し続けていると考えています。北村慶氏の書籍、買収されるのも悪くない。では、第6章で「”ジャパン・パッシング(日本素通り)”の恐怖」について論じられています。その一節に、以下の記述があります。

日本が世界経済から取り残されても、世界の他の国々は以前よりは困らなくなってきている

 残念ながら、この事実は真摯に受け止めねばならないと思います。
 各企業の経営者が、買収防衛策導入していくことは、日本経済の活力を削ぐことになりかねないと、懸念しています。

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