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2007.05.17

持ち分法適用会社化で企業価値向上?(楽天とTBS)

 日本経済新聞社のWebサイトに、楽天TBSに関して、楽天社長、TBS株買い増し「濫用的ではない」という記事が掲載されています。
 楽天の三木谷浩史社長は17日、2007年1―3月期の連結業績発表会見で、TBS株の買い増し意向について「濫用(らんよう)的ではない」と改めて強調した。TBSを楽天の持ち分法適用会社にすることが楽天の株主利益にかなうとしたが、経営権の取得については否定した。同期の業績は証券子会社の不振などで、前年同期比7%減と上場来初の減収となった。営業利益も43%減少した。

 株式の19.86%を保有するTBSについて三木谷社長は「20%強の水準に買い増し、会計上の持ち分法適用会社にしたい」との考えを改めて示した。TBSの連結純利益の一部が楽天の経常利益に加わることで楽天の企業価値が向上。「楽天株主への説明もつく」とした。
 三木谷浩史氏の考え方はよく分かります。持分方適用会社にすれば、楽天の財務諸表にはTBSの利益等が反映され、改善されることが想定されます。(検証はしていません。見方によって、悪化する指標もあることと思われます)

 しかし、ここでひとつの疑問が生じます。
 市場参加者の多くが、「楽天TBSの大株主である。持ち株比率は19.86%」ということは認識しているはずです。そして、この事実を織り込んで、現在の株価は形成されているはずです。

 20%超の持ち株比率を目指すこと自体の是非はともかくとして、「持ち株比率が19.86%→20%を少し超える程度」というわずかな変化があったとして、このことが楽天の企業価値を劇的に向上させるのでしょうか。楽天TBSの経営権取得や、収益に繋がる業務提携等に動くならばともかく、報道を見る限りはそれもなさそう。他の条件が同一で、単に「持ち分法適用会社になって、財務諸表にもその情報が反映させる」ということにとどまるのならば、「実質的な企業価値にさほどの変動はないのでは?」と考えてしまいます。もちろん、実態をより分かりやすく反映した、財務諸表が作成されるということ自体は、メリットではありますが。

 20%強の株式取得について、三木谷浩史氏が「決算書の見栄えを良くすること」に力点を置いているのならば、さほど有益なオペレーションではないのかな?と感じています。まさか、そんなことはあり得ず、将来への戦略があるものとは思いますが。


PS 私は法制度について、さほど詳しくありません。見落としている事象などがありましたら、コメント等いただけるとありがたいです。

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