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2006.12.10

投資信託の「手数料ゼロ」に騙されるな

 本日(2006/12/10)の日本経済新聞朝刊15ページ「ボーナス、お得な商品で運用を(くらしナビ)」から引用です。

  ボーナス時期に合わせた金融機関の販売キャンペーン。特定商品への誘導など売り手側の思惑が垣間見えるものもあるが、上手に利用すればお得な場合もある。
 マネックス証券は年内いっぱい、同社で扱うすべての投資信託(公社債投信は除く)を対象に、購入時の手数料を実質的にゼロにする。従来も手数料ゼロのキャンペーンを実施したことはあるが、対象を同社が選ぶ一部の投信に限定していた。
 今回は約百十本と多く、他社も扱う人気商品もある。もともと買いたいと思っていた投信がその中に含まれるのなら、他社で買うより有利だ。

<以下略>

 「マネックス証券が年内に投資信託を購入した場合、手数料が実質無料になるキャンペーンを実施中である。よって、有利なキャンペーンを利用も悪くない」という趣旨の記事です。確かにその通りではあるのですが、若干「踏み込みが甘いなぁ」と感じる内容でもあります。

 投資信託のコストは3つに大別できます。

  1.購入時のコスト(販売手数料)
  2.保有期間中にかかるコスト(信託報酬)
  3.解約や売却で換金するときに必要なコスト(信託財産留保額)

 「1.と3.」が不要な投資信託はありますが、「2.」が不要となることはありません。(少なくとも、私は事例を知りません)

 そして、この「2.信託報酬」が曲者です。例えば、株式投資信託の場合、年率1.5%~2%程度の信託報酬が必要となる場合がザラです。
 「たったの2%」と思われるかもしれませんが、これは投資家にとって過重な負担です。時と場合によりますが、運用で勝ってもコスト負担で元本割れが生じうる程の強烈なインパクトをもたらします。

 この信託報酬、投資信託を保有している限り、運用が成功しようが失敗しようが関係なく、コツコツと投資家の財産から差し引かれます。
 投資信託の利用が悪いことだとは思いません。しかし、コストの高い投資信託を選択すれば、「投資家は利益を得られず(あるいは、得をした気分になって)、実のところ利益を得るのは金融機関ばかり」という結果を招くことが十二分に想定されます。

 本日も(?)チャールズ・エリス氏の言葉を紹介しておきたいと思います。

彼らの仕事はあなたを儲けさせることではない。彼らの仕事はあなたから儲けることなのだ。
 金融機関が投資信託の販売に注力している背景に、「手数料、とりわけ信託報酬を長期に渡って確保したい」という思惑があるのは確実です。
 少々有利なキャンペーンがあったとして、本当に利用価値があるのかどうか、検討する必要がありそうです。

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