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2006.12.01

単元株変更による、株式流動性の低下

 サンライズ・テクノロジーという会社があります。大証ヘラクレス上場企業です。
 実のところ、あまり良く知らない会社です。自転車好きの私はたまたま、我が家でも使用している子ども乗せ用自転車、ふらっか~ずシリーズを扱っている、丸石サイクルの親会社として認知していた程度。

 この会社の業績などについてもほとんど知らないのですが、株価を見る限り、あまり芳しくない模様
 そんな同社、単元株式数の変更に関するお知らせというリリースを発表しています。(株主総会での承認が前提です)
 概要は、

1.単元株式数変更の理由
 当社の発行済株式数は、本日現在120,654,716株、単元株式数は10株となっており、当社の株式売買件数増加による証券代行手数料は、非常に高額になっております。当社といたしましては、このまま証券代行手数料として費用計上を行うより単元株式数を引き上げ、経費を削減し、利益向上させることが、株主様の利益につながると判断したことによります。
2.単元株式数変更の内容
 当社の単元株式数を10株から1,000株に変更いたします。
 とのこと。

 単元株数を変更する場合には、株主数の増大や流動性向上を目的する場合が多いように思います。結果、単元株数は引き下げられる傾向にあります。このことは必ずしも悪いことではありませんが、株主数の増大が費用の増加要因になることも必然です。また、過剰な流動性は投機の対象となり、その結果、企業価値を毀損してしまうことが少なくありません。株価の乱高下は企業にとって避けるべき事態なのです。

 自社株式の流動性を低下させる今回の決断、やむにやまれずということなのでしょうが、妥当であるような印象を受けます。直接的なコストを低減できますし、招かれざる株主が存在するならば、それを排除することにもつながるのでしょうから。

 ところで、ビル・ゲイツ氏に次ぐ、世界第二位の資産家として有名な、ウォーレン・バフェット氏は、自身が経営するバークシャー・ハザウェイ社の株式について、以下のように述べています。

 私たちが最も望んでいることは、株価が常にその内在価値に沿った形で推移することです。もしそうであれば、株主が保有期間中に得る利益は、同期間のバークシャーの事業実績とほぼ同じになるからです。
 このような結果は自動的に起こるものではありません。多くの株が過小評価され、または過大評価されすぎて、激しい値動きをみせます。このような状況では、株主たちは実際の業績とかけ離れたところで損したり得したりするのです。そんな気まぐれな状況は避けなければなりません。私たちが目標とするのは、一部の株主のバカげた振る舞いによってではなく、企業業績によってパートナーである株主が利益を得ることなのです。
 適正な株価は、現在も未来も理性ある株主によって作られます。だから私たちは、市場原理だけで動く株の短期保有者を排除して、企業に投資する考えで株を長期保有する人たちに株主になってもらうためのやり方、広報を行っています。
バフェットからの手紙 - 「経営者」「起業家」「就職希望者」のバイブル(217ページ)より引用)


 市場とどのように付き合うか、どんな企業に投資するか、それは個人の自由です。
 ただ、株式の流動性は高ければ高いほどいいとは限りません、株価が乱高下する株式には妙味があるかも知れませんが、投資先としては不適格である可能性もあります。

 それぞれの企業の市場との付き合い方には今後も注目です。


PS.サンライズ・テクノロジーについて、いかなる投資判断もしていませんこと、念のため書き添えておきます。

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