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2006.10.03

ファンド規制、不動産に激震――私募スキームの転換迫る投資サービス法

 日経ビジネス2006年10月2日号を眺めていましたら、気になる記事を発見。「ファンド規制、不動産に激震――私募スキームの転換迫る投資サービス法」というものです。

 REIT(不動産投資信託)を含めた不動産ファンドの市場規模は10兆円近い。その中でも、半分の5兆円余りを私募ファンドが占めている。
 その私募ファンドは、親ファンドと子ファンドという2層構造を取ることが多い。この場合、外部の投資家が出資するのは親ファンド、実際に不動産を取得するのは子ファンドである。

<中略>

 親ファンドが子ファンドに出資する際、物件取得などについて、私募ファンドを設立した不動産会社は親ファンドに助言している。この助言業務がが実質的には一任業務ではないのか――。この点を金融庁は問題視していた。

<中略>

 投資サービス法の成立が叫ばれたのは、金融商品が多様化する中で、横断的に規制をかける必要性が生じたためだ。今回の投資サービス法で、信託受益権は投資サービス法の網の中に入る。これまでは必要なかったが、私募ファンドを運営する不動産会社は一任であれば投資運用業、助言ならば投資助言代理業の登録をする必要がある。

 どのような分野であれ、過剰な規制は望みません。とはいえ、実質的に不動産会社が運用をしているのであれば、運用に必要な資質を備えていることを、外形的にも整えておくべきなのでしょう。
 ところで、投資サービス法は今後の私募ファンドに大きな影響を与える可能性があるようです。運用体制を見直せばいいとか、しかるべき登録をすればよいとか、そんなレベルに留まらず・・・。

 親ファンドの下に多くの子ファンドがぶら下がる仕組みは、運用の現実に即したものだと言えなくもありません。記事中(引用していませんが)にもあるとおり、投資先不動産の取得時期や、不動産取得のための金融機関からの借入れ条件などがバラバラであるためです。

 有る意味では合理的なスキームに思えなくもありませんが、記事では以下のようにも指摘しています。

 これまで不動産業界では、私募ファンド間の信託受益権の売買が当たり前のように行われていた。その売買を通して収益を上げてきた面もある。だが、投資サービス法では、運用会社がファンドなどの運用財産間で売買することを原則として禁止している。

<中略>

 私募ファンドには、ファンド間で不動産を転がし、REITを出口に使っているという批判も根強く残る。

 子ファンドの取引が健全に行われているならば、今後は原則禁止になるとはいえ、このこと自体は大して問題にはならない。しかし、REITが出口として使われて、ババを掴まされているとしたら、由々しき事態です。

 この後の運用が気になりますし、少し飛躍した発想かもしれませんが、過去に「不健全な不動産取引」があったとするならば、その実態について知りたいところです。

PS. 不動産ファンドについては、投資ファンドとは何か 知っておきたい仕組みと手法において、非常に分かりやすく解説されています。「ヘッジファンド」「企業投資ファンド」についても、丁寧な解説がありますので、興味のある方は一読することをオススメします。

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