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2006.07.21

タマゴを生むニワトリを売却すべきかどうか

 簡単に・・・。

 2006/07/20の日経金融新聞1ページの不動産マネーに関する記事「利上げを越えて(中)長期保有で価値高める」から引用です。

 東京・港のJR田町駅の近くに立つ二棟のオフィスビル。住友不動産が開発中の物件だが、八―九月の開業を前に、テナントの成約率は五割程度しかない。オフィス需要が好転するなか、なぜこんな事態が生じるのか。

 話は住友不の主力ビル、六本木の「泉ガーデンタワー」が開業した四年前にさかのぼる。各社がオフィス賃料を大幅に下げるなか、住友不は泉ガーデンの値引きに一切応じなかった。当初の稼働率は五割程度で“空室ビル”として話題になったほど。だが、泉ガーデンも今では満室稼働で、住友不の収益拡大の一角を担う。
 開発したビルは急いで売らず、じっくり優良テナントを集めて物件の価値を高める戦略だ。従来型不動産経営ともいえ、大手不動産で唯一、傘下に不動産投資信託(REIT)を持たない。鶴田哲郎専務は「今後値上がりが見込めるのに、保有ビルを売る必要は無い」と説明する。

<以下略>

 不動産事業に限らず、自社の収益を生み出す”収益源”は外部に流出させないことが望ましい、という当然の事実を再認識です。
 良質なタマゴを生み続けるニワトリを売却してしまっては、一時的な収入を手にすることができても、それと引き換えに、タマゴからの継続的な収益は望めなくなります。
 ニワトリをよほどの高値で売却できるのならばハナシは違ってくるかも知れませんが、そうでなければ、売却の際には熟慮することが不可欠です。

 少しハナシが飛躍しますが、「当面のキャッシュを得るために、自社ビル&敷地を売却してしまえばOK。そうすれば資産規模も小さくなるから、効率経営が期待できる。事務所や店舗は賃貸してしまえば問題ないじゃん。不動産の売却によるキャッシュインを活用して、株主への配当もできちゃうしね」なんていう考え方がいささか乱暴であることも再認識できます。
 この場合、一時的に手元資金が潤沢になっても、将来の支払い(キャッシュアウト)は増加します。キャッシュは将来のために使うべきかも知れないのに、配当してしまってどうするの・・・。

 企業価値の源泉はなんだっけ?ということに改めて思いを馳せてしまうわけであります。
 ついでに、好き嫌いで申し上げれば、住友不動産のやり方が好きですね(笑)。もちろん、何でもかんでも抱え込んでしまうことが是だと申し上げるつもりは毛頭ありません。

PS 時々見聞きする論調「REITには本当に優良な物件は組み入れられていない」ということはウソではないのかも知れませんね。投資対象として同列に語るのはオカシイとも思いますが、REITへの投資よりも、もしかしたら・・・、「いわゆる不動産株」への投資が好ましい事例も考えられそうです。



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