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2006.07.20

企業年金連合会、「積み立て不足」14年ぶり解消

 YOMIURI ONLINEに企業年金連合会、「積み立て不足」14年ぶり解消という記事が掲載されていました。

 国内有数の機関投資家である企業年金連合会は18日、株価の回復などの運用環境の改善で2006年3月末時点で剰余金が1兆円を超え、将来の年金支払いに必要な運用資産よりも実際の資産が少ない「積み立て不足」が14年ぶりに解消したことを明らかにした。

<中略>

 連合会の06年3月末の保有資産は約12兆6000億円に上るが、バブル崩壊後の超低金利や株価低迷で、加入時に約束した運用利回りを実際の利回りが下回る逆ざやが生じ、03年3月末の積み立て不足額は一時、約2兆円に達した。

 しかし、株式相場の好転で03年度以降は単年度の運用収益が黒字に転じ、05年3月末の積み立て不足は約5414億円まで縮小。さらに、05年度の運用収益は1兆5000億円を上回り、剰余金が1兆円を超えた。

 どのような理由で積み立て不足が解消したのでしょうか。直接的には「日本の株式が上昇したから」というのが大きいものと思われます。
 
 ところで、企業年金連合会は、連合会の資産運用という情報を公開しています。そこでは、基本ポートフォリオについて、
■ 基本的考え方
① 連合会では、厚生年金基金の中途脱退者及び解散基金加入員等に対する年金及び一時金給付の支払いを将来にわたり確実に行うため、連合会負債構造の分析(将来推計)に基づき、投資対象資産のリスク・リターン特性の観点から、将来にわたる最適な資産の組み合わせである基本ポートフォリオを構築しています。
② 基本ポートフォリオは、年金資産運用の特性(資産規模が大きく超長期の運用ができるため、資産分散効果や時間分散効果が期待できます)に鑑み、中長期的な観点から策定しています。基本ポートフォリオの検証は毎年行いますが、策定時の諸条件が変化していると判断される場合は、これらの変化を織り込んで見直しを行います。
 と記述されています。

 ここから推測できるのは、堅実にポートフォリオ(分散投資)を組成していることが、積み立て不足の解消に寄与したのだろうといういうことです。決して、「今年は株式が良さそうだから、株に資産の大半を突っ込んで、株式市場の雲行きが怪しくなったら一旦手を引いて・・・」というような運用は行っていないのです。
 ポートフォリオを適切に見直しつつ、素直に運用を貫いたからこそ、日本の株式上昇の恩恵を受けることができたともいえます。

 そして、企業年金連合会のような運用は、個人の資産運用にも応用することができます。むしろ、積極的に学ぶべきとすら思います。
 資金量やリスク許容度など、状況は個人個人で異なりますが「アセット・アロケーションを考慮したポートフォリオの組成(≒分散投資)」が基本です。

 過去にも何度か紹介した書籍ですが、貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント―ノーベル賞学者とスイス人富豪に学ぶ智恵では、「年金資金運用資金」を例にとり、今回の記事で触れた内容などを平易に解説しています。良書ですので、興味のある方は一読されることをオススメします。 



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